読書記録「翼をください下」 原田マハ
一文まとめ
航空カメラマンである山じゅんが「ニッポン」日本屈指のパイロットたち、そして、世界一の女性パイロットと絆を深めながら、世界一周に挑む話。
以下感想
この本は上下巻に分かれているが、下巻は、上巻でそれぞれの視点人物として描かれていた二人の歩みが交錯し、共に進んでいった。
この話は額縁構造になっており、山じゅんが現在もとても詳細に記憶し語られていること、そして山じゅん自身がエイミーの故郷に永住しようとしていることなどが、「ニッポン」による世界一周やエイミーとの出会いの大きさを際立たせていると感じた。
エイミーと「ニッポン」のメンバーの交流をみる中で国や文化が違えど、人間は必ず分かり合えるというメッセージを感じた。
何かに挑戦するということの偉大さ、周りの人に与えるメッセージの大きさを感じ、自分も頑張ろうと思わせてくれた。
当時と同じように今、世界でも、自分の身近な社会でも、嫉妬や争い、対立が増えてきていると感じている。
ステレオタイプ的に物事を判断し、否定、批判から人々をみるのではなくエイミーのように「世界はひとつ」という考えを持って、一人ひとりの人間性や個性、持ち味を尊重し、考えを聞きあい、分かり合える人になりたい。