加藤のアウトプットブログ

日々の生活で学んだこと、本の解釈、感想など様々なことをアウトプットするブログです。コメント大歓迎です。オススメの本や映画などがあれば是非教えてください!

読書記録「国語授業言語活動アイデア42」 石川晋

一文まとめ
「対話」があふれる言語活動、国語の授業を創り上げるにはまず、子どもが安心できる場がつくられ、対話の価値を教師がインストラクションし、子どもが理解することが大切で、そこから練習を重ねていくと子どもに身についていく。


以下感想

この本では、様々な言語活動が挙げられているが、一番感じたのは「子どもがその言語活動の価値を実感して初めて価値のある実践になる」ということだ。

価値のインストラクションの重要性が述べられており、自分自身、言ったつもりになっていても子どもに全く通じていなかったり実感できていないということも多い。改めて、価値を伝えるという部分を見つめ直したいなと感じた。

価値のインストラクションを大切にしていく中で、言語のみに頼るのではなく、「やってみる」「見てみる」など体験をセットにしていきたい。

この本にも書かれている通りこれからの時代は、
「教えやすさの追究」から「学びやすさの追究」へとシフトチェンジをしていくことが大切。
この本でたくさん紹介されている実践を参考にしながら、様々な背景や持ち味を持った子どもたちが「学びやすい」授業づくりを目指していきたいと感じた。

読書記録 「国語ファシリテーション」 石川晋・ちょんせいこ

一文要約
協同的・協働的な学習な学習を効果的に行うためには、教師も子どもたちにもファシリテーションの技術が必要で、子どもたちが体験的に学びを深められるような授業デザイン、環境づくりをしていくことが大切。


以下感想


どうしても今まで自分が学んできた、経験してきた授業の枠の中で授業を構想してきたが、子どもたちが体験的に学びを深めるためには、もっと子どもたちが動ける・体験できる枠組みを作ることが大切だと感じた。

体験させればいいという考え方で体験型学習の継ぎはぎになってしまわないためには、確かな教材研究・教材理解と単元デザイン力、そして場を構成するファシリテーション能力が必要になってくる。

たくさんの手法が紹介されており、今すぐにでも試したいことがたくさんあるが、ここで、一度立ち止まり、
「どうしてその活動をするのかな?」
「その活動でどういう力を子どもたちにつけてほしいのかな?」
「そのために教師はどういう立ち位置でどういう振る舞いをすることが必要かな?」
「そもそも単元で付けたい力がその活動で着くのかな?」
ということをしっかり自問自答し、活動のパッチワークにならないように単元をデザインしていきたい。

これから授業を構成していく上で環境デザインやカリキュラムデザインの視点を新たに持って授業づくりを行いたい。

自分の場合は「まだ、まず知る」という段階なのでどんどん引き出しを増やして、目の前の子どもたちに合う活動を子どもたちと一緒に創り上げられるようにまずは自分が学びたい。

読書記録「人はいかに学ぶか」 稲垣佳世子 波多野誼余夫

 

一文まとめ

人は決して、怠け者でも学習に対して消極的でもなく、本来は自発的に学ぶ優れた学習脳力を有しており、教育では受動的に教え込まれるのではなく、いかにその学習能力を引き出すかがとても大切。

 


以下感想

「人はいかに学ぶのか」
人は常に学習する生き物なのに、勉強になるとどうして主体性が失われるのだろう。この素朴な疑問に対してわかりやすく丁寧に書かれている。

 

まず、勉強と日常の違いは必要感・動機付けや知的好奇心を持ってそのことに取り組んでいるかだ。
このことから、教師などの教える立場にある人の大切な視点は「いかに効率良く教えるか」という教え手中心の視点から「いかに学び手の興味関心をひくなどをして、知的好奇心を刺激するか」という学び手中心の視点へと変わらなければいけないと感じた。

 

ただ、日常の学びのみでは、理解が浅かったり、不十分になったり、本当の面白さに気づけなかったりすることもあるので、学び手自身の知的好奇心を刺激し、主体的に学べるようにしながら教科の本質的な面白さに気づけるような授業デザインや環境設定こそが教師の仕事なのだろう。

 

他にも、
「対話は正解を求めるためではなく、知的好奇心を刺激するために行う」や
「道具を使うことは人間の優秀さを発揮しやすくする」
「日本の教育システムは物知りが評価されやすいシステム」
「知識があるからこそ学びやすい」
など、今の主体的・対話的で深い学びやICT活用・授業改善の考え方につながる文章も多かった。

 

その中でも一番印象に残ったのは、
「うまくできるという結果を重視しすぎると、深い理解を阻害してしまう可能性がある」ということだ。
学び手はどうしても結果や手っ取り早さに目が行きがちになる。ただ、その結果、手続き的な面での習熟に終始してしまったり、本来感じられるはずだった教科の本質的な面白さに気づけずに知的好奇心を刺激できない可能性があるということだ。
だからこそ、教え手がいかに、学び方や、学習の過程、そして失敗や試行錯誤の価値を信じ、伝え続けていくかが大切だなと思った。

 

これからも、「教え込む」ではなく、「学び手の優秀さを引き出す」という価値観で教師として子どもたちと向き合っていきたい。

読書記録「生き心地の良い町」岡檀

一文要約
自殺率が少ない街には、他の町とは異なるいきづらさを取り除く自殺予防因子が関係しており、それらの要因は人々が感じているしんどさを和らげ、生き心地のよさにつながるのではないか。


以下感想

自分は教師という仕事をさせてもらっているので、今回の本の内容をクラスという集団に置き換えて考えてみた。

自殺予防因子は大きく5つの項目が挙げられている。
1 いろんな人がいた方がいい。(多様性の価値)
2 人物本位主義を貫く(その人の今の言動を見つめる。)
3 どうせ自分なんかと考えない。(自己効力感)
4 「病」は市に出せ。(困ったことをお互いに打ち明けられ、助け合える関係)
5 ゆるやかにつながる(人間関係を固定しない。複数のコミュニティに属している)

これら5つの因子は同じくクラス作りでも大切な要素ではないかと考えた。
クラスと町、違うところも多い。ただ、様々な価値観を持つ人がたまたま集まった集団であるという部分は共通しており、「生き心地の良い町づくり」の要素から「居心地の良いクラスづくり」につながる部分は多くあると感じた。

クラスという小さな枠組みだけではなく、集団という大きな括りでクラスを見ることで見えてくるものもあると知った。
改めて、集団づくりの大切さ教師の面白さを感じさせてくれた一冊。

読書記録「教師としてシンプルに生きる」若松俊介

教師としてシンプルに生きる。
読みながら、「うんうん分かる」や「まさに今そうなんだよな」と思いながら読むことが出来た。

同じにしようとするから無理が生じる
子どもを育てるのではなく子どもが育つ
自分の軸を持って、情報を取捨選択する
子どもを足し算でみる
個性豊かな子どもたちがその子たちらしく生きられるように発揮できるように子どもたちのハーモニーを大切にする。

など、心に残った部分が多い。

自分が子どもを型に合わせようとしているな、周りの目が気になって、大人の願いを押し付けているな改めて感じることが出来た。

答えを知れるわけではないが、自分の軸の点検のために定期的に読み直したいと思える一冊。

読書記録「『居場所』のある学級・学校づくり」ローリー・バロン バティー・キニー 山崎めぐみ 吉田新一郎訳 

一文要約
子どもたちが自分の実力を存分に発揮するためには「居場所」があるという感覚を持てることが大切で、そのために教師は居場所感覚を高められるような学級経営をすることが大切。


以下感想

まず、この本を読んで感じたことは、教師がやるべきことは全員が「このクラスには自分の居場所がある」感じられるようにすることだと思った。
そこができれば、子どもは逞しく成長していける力を持っている。
教師はその潜在能力を十分に発揮できるような環境を整えてあげることが必要だなと改めて感じた。
そのために、まずは教師自身が居場所づくりに対する感覚や願い方法を持つことが大切。
ただ、大人がいくら願っていても子どもには伝わらないからこそ、子どもに体系的に体験させ、子どもたちと一緒に創り上げていくのだろうと感じた。

重要なのは、全員が居場所を感じ居心地が良いクラスというのは子どもたちだけでできるものでも、大人だけで創れるものでも、ましては自然偶発的にできるものでもなく、大人と子どもが共に一貫性を持ち、練習を重ねることで少しずつできていくものということだと感じた。

居場所という感覚的で抽象的なものを練習可能な能力に落とし込むというところがとても良かった。
細かい活動は目の前の子どもに合わせて微調整していきながらまずは、「居場所」のある学級づくりを目指していきたい。

読書記録「翼をください下」 原田マハ

一文まとめ

航空カメラマンである山じゅんが「ニッポン」日本屈指のパイロットたち、そして、世界一の女性パイロットと絆を深めながら、世界一周に挑む話。


以下感想
この本は上下巻に分かれているが、下巻は、上巻でそれぞれの視点人物として描かれていた二人の歩みが交錯し、共に進んでいった。

この話は額縁構造になっており、山じゅんが現在もとても詳細に記憶し語られていること、そして山じゅん自身がエイミーの故郷に永住しようとしていることなどが、「ニッポン」による世界一周やエイミーとの出会いの大きさを際立たせていると感じた。

エイミーと「ニッポン」のメンバーの交流をみる中で国や文化が違えど、人間は必ず分かり合えるというメッセージを感じた。

何かに挑戦するということの偉大さ、周りの人に与えるメッセージの大きさを感じ、自分も頑張ろうと思わせてくれた。

当時と同じように今、世界でも、自分の身近な社会でも、嫉妬や争い、対立が増えてきていると感じている。
ステレオタイプ的に物事を判断し、否定、批判から人々をみるのではなくエイミーのように「世界はひとつ」という考えを持って、一人ひとりの人間性や個性、持ち味を尊重し、考えを聞きあい、分かり合える人になりたい。